これまでの疼痛治療は、どのように展開されてきたでしょうか？

これは他の領域とも同様ですが、専門性が細分化されるに従い、それぞれの専門領域においてのみの知識で「疼痛治療」を進めることがメインストリームとなっていました。

ところが、生物・心理・社会的構造から疼痛を捉えることが推進されるようになった現在、自分の専門領域の知識と介入だけでは「足りない」ことは明白です。

今度は、今までの単一因子「シングルファクター」に対する医療から、多因子「マルチファクター」 に対する医療が求められていきます。

超高齢社会の日本を支える医療従事者は「疼痛」を通してマルチファクターの重要性を学ぶ必要があると言えます。

つまり、自分の領域を超えた課題を解決するための、「超職種型医療システム」が必要と考えます。

MCFT “Medical Cross Functional Team”

「患者さんの健康課題を全体性から捉えて対応することができるようにするために、診療科や役職にとらわれず、場合によっては他領域からも必要な人材を集めて構成されるコーディネート機能を有するチーム」

これこそが、今後の医療スタッフに求められる「有機的ネットワークの構築」です。

そして、これはただ他職種とコミュニケーションをとることでは実現が難しいと考えています。